病院にかかってくる怪しい電話の正体は?研修医は特に注意!

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病院にしばしばかかってくる不審電話.病院勤務をしている方なら一度は何らかの形で遭遇したことがあるのではないでしょうか.

自分は現在医師4年目.初期研修医1~2年,専攻医1年目,専攻医2年目と計3つの病院で働いて来ましたが,毎年必ず病院伝いに不審電話がかかってきます.

さすがに今は慣れましたが,研修医1年目のときに初めて遭遇した際には何が何だか分からず怖い思いをしました.

今回はその不審電話の目的や対処法をお話します.

 

不審電話の目的は?狙われるのは研修医

まず結論から書くと,自分の経験上不審電話の正体の多くは悪徳不動産業者です.

そして狙われているのは研修医をはじめとした若手医師です.

不動産業者の目的は至ってシンプル.医師にほとんど価値のない粗悪なマンションを高額で購入させ,利益を得るためです.

なぜ標的が若手医師なのか.それは若手医師はカモりやすく騙しやすいからです.

若手の医師の給料は薄給なんてよく言われますが,当然場所によります.都会のど真ん中でもなければ研修医の初任給でも月収30万円を超えることもザラです.そして何より銀行からお金を借りやすい.

不動産を購入する際,一括で購入する人は稀で多くはローンを組みます.そして医師という職業上,他職種と比べて銀行のローン審査は圧倒的に通りやすいです.

世間知らずで社会的信用のある若手医師は悪徳不動産業者からすると格好のカモです.

 

不審電話の手口とは

悪徳不動産業者はあの手この手で研修医や若手医師を狙ってきます.

そして悪徳不動産業者にとっての手口の第一は,なんとかして医師とコンタクトを取ることです.

個人情報が騒がれる時代ですが,医師の所在を調べることはとても簡単です.病院のホームページには医師の名前や顔写真などいくらでも載っています.

〇〇病院に○○という先生がいる.

これさえ分かればあとは簡単です.病院関係者を装い病院に電話をかけ,PHS(病院の内線電話)を通して医師とコンタクトを取る.そこで言葉巧みに医師の電話番号でも聞き出せればあとは直接会う話を取り付け,不動産の契約を進めていくだけです.

 

不審電話の具体例

病院に電話をして,「〇〇先生につないでください」と言った所で病院はまず取り合いません.

そこで悪徳不動産業者は病院関係者を装います

具体的には,

「XX大学XX科の医師のXXです.〇〇先生につないでください」

「△△製薬ですが,この時間に〇〇先生と薬剤説明の約束をしているのですが」

「☆☆科の☆☆だ!病棟患者が急変した!救命のため○○先生と連絡を取りたい!」

などなど挙げていけばキリがない.

病院側もこんな電話には慣れているため多くはその場で気づき医師に取り次ぐようなことはないが,電話を受けた人が新人で慣れていない場合やあまりに手口が巧妙だと稀に医師に取り付いでしまうことがあります.

そして,「〇〇先生と直接お話がしたいので連絡先を教えてもらってもよいでしょうか」などと電話番号を聞き出そうとしてくる.

こんな胡散臭い手に引っかかるやつなんているのかよと思うかもしれませんが,電話番号を教えてしまった医師は自分の周りでもかなりいます.

右も左も分からないにも分からないのに責任がのしかかる研修医.真面目であればあるほどPHSの対応は真摯に対応しようとして引っかかってしまいます.

自分の周りにもこの電話に引っかかり不動産契約を結んでしまった医師がいます.行ったこともない県外の中古マンションを,年率〇〇の利益が見込めるという言葉を鵜呑みにしロクに調べることもなく4000万円もの額で契約,実際にはその額とは程遠い価値しかなく賃貸に出すも入居する人もおらず,今もローンを払い続けています

 

不審電話の見分け方

不動産投資そのものが悪だとは思いません.本当に価値のある物件に投資して利益を得る人たちはたくさんいます.

それだけに本当に信頼できる業者を通して契約しないのではないでしょうか.

自分は不動産投資などの経験はなく,良い不動産業者というものが何かはわかりませんが,

少なくとも,業務中に医師のPHSに外部から直接電話をかけてくるようなヤツがまともなはずがありません

ただでさえ人手がなく時間もない医師の仕事,下手をすると一分一秒を争う手術中にでも電話をかけてきます.

本物の医療関係者であれば医局や秘書を通して連絡がきます.

自分のPHSに電話がきた時点で怪しいと疑い,絶対に自分個人の電話番号なんかは教えないでください

それでも判断がつかなければ,「今は緊急の処置中です.時間をあけてまた連絡ください.」とでも言って一方的に切ってください.もうかかってくる事はないでしょう.

本当に相手が医療関係者であれば失礼とも思われないので何ら気にすることはありません.

 

相手に番号を教えてしまった場合には

不動産契約までいかなくても,自分の電話番号を教えてしまったという医師は沢山います.

もしそうなら,可能であれば電話番号を変えてください

一度番号を知られてしまうと着信拒否をしたところで色んな番号から度々電話がかかってきてしまいます.

不審電話に慣れきっている猛者もたまにいますが恐らくかなりのストレスになると思います.

働き始めても不審電話の存在については意外と病院も教えてくれません.日常茶飯事すぎてわざわざ言うまでもないということかもしれませんが.

特に年末年始にかけては確定申告や減税を口実にしての電話が多くなってくる印象です.研修医の皆さんは特に十分注意してください.

 

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